水路の使命を終えて公園として活動中の古石場親水公園も江東区内部河川の一つです

東京散歩

江東区に張り巡らされた水路は、主に水運のためでした。動力がなかった江戸時代までは大規模輸送には水運は欠かせない手段でした。

そのため巡礼ロスを癒してくれるかもしれない江東水路巡りのウォーミングアップ、江戸川区の新川千本桜でも触れましたが、徳川家康は江戸入府後に江戸城築城から物資の調達まで欠かせない水路の整備にイの一番に取り組みました。
そのおかげで現在私たちは水路探索などができるようになったワケですね。

古石場(ふるいしば)の命名は、この地に波除の土手と石垣があり、その土手が江戸城築城の際に使う石の置き場になっていたから。
明治に入ってこの土手がもっと南まで進んで行くのですが、その際に古石場川が掘られたらしいです。

その川も、昭和46年に策定された「東京江東地区の防災事業に関する方針」によって河川や運河としての利用が見込めないと仕訳けられてしまい、昭和63年に埋め立てられました。

その埋め立てた川の後にできたのが古石場川親水公園です。「水辺の香り」をテーマに整備されたそうでございます。
親水公園部分は東西に流れていますが、これと並行に流れる大横川に通じるように「牡丹町公園」がつながっていて、両方合わせるとL字型になっています。その全長約900m。

大横川沿いの遊歩道から牡丹町公園に入ります。(墨田川から大横川を経て牡丹町公園に至る経路は下町水路大横川を越中島から門仲まで両岸に迫る桜並木に春の期待を込めてをご覧ください

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牡丹園周辺は古石場ではなく「牡丹」という地名です。これは、このあたりに牡丹栽培の農家が多かったことから命名されました。

牡丹町公園とはいえ、真冬に行ったもんで、牡丹のボの字もありませんでしたよ。
晴れた冬の日の低い日差しを受けて、ド逆光の水面を撮ったら思ったよりキラキラ輝いて撮れたので載せてみました。ていうか、撮ったママのRAWデータは真っ黒だったんですが、lightroomで露光量上げてシャドー起こしたら以外にイケました。

角を曲がるとここが元古石場川部分、古石場川親水公園ですね。一部以前の護岸が残されていて、定番の付近の小学生による壁画が描かれています。

古石場川親水公園

川時代の橋も残されています。

雀橋

雀橋

 

 

公園内には上記の様に以前の橋が残っていますが、その中の一つに「小津橋」があります。
これは映画監督の小津安二郎氏由来の橋で、何故なら小津安二郎は東京市深川区万年町(現在の東京都江東区深川)の生まれで、現在の江東区立明治小学校に学んだそうです。

近くにある古石場文化センター には小津安二郎紹介展示コーナーがあって、小津と江東(深川)とのゆかりなどの説明展示や作品に関する展示のほか、子どものころの作文や習字から、なんと!へその緒、うぶ毛まで展示されているそうです。極めてプライベートなそういったものを展示しようとした方もした方だし、供出した側も供出した側ですよね。おそらく遺族なんでしょうけど、ご本人はきっとご存じないですよね

古石場川親水公園

こんな鳥も遊びに来ています。古石場川の水質は海水に近いので、アサリ的な生物もいるそうで、上の写真の鳥も海に住んでるっぽい餌を探しているのでしょうか?

おしゃれカフェもあり

おしゃれカフェもあり

東側に進んでいくと親水感のあるカフェなんぞも営業しているようですね。

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ベンチも整備。奥に高僧マンション建設中です

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手前の塀は元護岸?先の新しそうなマンションは生垣を設けて公園との調和してます。
それにしても、シツコイようですが真冬に行くから植え込みがことごとく枯れ枯れですね。

さて、古石場親水公園もそろそろ終わり。終点は石垣に囲まれた袋小路みたいな、ちょっといや~な雰囲気の終わり方でした。
その先には公園と垂直に「平久川(へいきゅうがわ)」が南北に流れているんですが、この川がまた何となく「川向うキライ!」って感じで立ちふさがっているのがこれまたちょっと感じ悪いのは、対岸にこれ見よがしな高層マンションや大企業のオフィスビルが建っているからなのでしょうか?

平久川につきあたる。左奥は平久橋(へいきゅうばし)

平久川につきあたる。左奥は平久橋(へいきゅうばし)

平久川

何だかゴギレイなビルがちょっとね・・・

そして川の向こうには巨大イトーヨーカドーを含む巨大ショッピングモール&オフィスビル「深川ギャザリア」もあるのでした。

ガレリア木場の堂々たるイトーヨーカドー

ガレリア木場の堂々たるイトーヨーカドー

首都高9号深川線の下を通るのは三つ目通り

首都高9号深川線の下を通るのは三つ目通り。イトーヨーカドーの前を通る

ここまで来ると、江戸情緒とか深川感は薄れてきて、港湾とか埋め立て地とか物流倉庫とかの香りがします。

我々はここからもう少し南に向かって、「潮風の散歩道」って所を目指します。
”汐浜”運河沿いの「”潮風”の散歩道」付近の住所は「江東区”塩浜”」。日本語はかくフクザツなり。

 

 

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東京在住50代、ウォーキング、御朱印集め、写真撮影と現像、70年~80年代の少女漫画(りぼん・別マ派)、中国語学習などが趣味。
遠くない将来に愛媛に移住して下宿屋と海の家を営みながら四国八十八か所巡りをしようと画策中。

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