ワカメ、食べてますか?
積極的に食べているというアナタ、何のために食べてますか?
- 健康のため?
- ダイエットのため?
- 頭髪のため?
- アンチエイジングのため?
低カロリーで栄養豊富、健康に良いワカメ。老若男女問わず積極的にとりたいワカメですが、ワカメを買う時に知ると知らないでは格段に差が出ることがあります。それは「湯通し塩蔵ワカメ」という存在。
ご存知でしたか?「湯通し塩蔵ワカメ」。今回はワカメを買う時にぜひチェックしていただきたいこの湯通し塩蔵ワカメについてご紹介していきます。
とはいえ、かくいう私も主婦歴25年の間に知ることはなく、数年前から私に変わって家事を取り仕切るようになった夫から教えられたことなんですけど。
ワカメの栄養素に関するバイブル
コトの起こりは、とある週末に夫が「乾燥ワカメを探しに行きたい」と言い出したことでした。
ワカメなんてスーパーに行けば売るほどあるじゃん、まさかワカメ漁に出かけたいってことじゃないよな…。
などといぶかりながらもワケを尋ねてみると、
「ワカメには「わかめ」と「湯通し塩蔵わかめ」があり、カルシウムやビタミン、食物繊維などの栄養素が両者では段違いで「わかめ」の方が豊富である。自分は栄養素やバランスを考えて毎日の食事の献立を考えていてワカメも積極的に取り入れるようにしているが、我が家で常備しているワカメは湯通し塩蔵ワカメだったことが発覚した。」
「そこで自分はここ1週間、仕事帰りに寄れる範囲でスーパーを片っ端から周り、「わかめ」を探し求めてきた。しかし残念ながら探した範囲で売られているワカメはすべてが「湯通し塩蔵ワカメ」であった。そこで、本日は休みであることから湯通し塩蔵ワカメでないワカメを探し回りたい」
との主張を放ちました。
誰があの人にこのネタを吹き込んだの?
それは私、とamazonが言った
クックロビンを殺したのは50過ぎて主夫を天職と目覚めた凝り性の夫にさらなる刺激を与えた犯人はスズメではなくこの本でした。
この本にはワカメだけでなく各種野菜、肉、キノコなど多くの食材について、含まれる栄養分を逃さず摂るための調理の仕方、保存の仕方、果ては切り方までが指南されています。慈恵医大付属病院の栄養部監修というのも信頼度をアップさせていますな。
好評につき続巻も出ています。
ワカメの分類のキモは生ワカメか乾燥ワカメかではなく、原材料名
ワカメの分類は生ワカメと乾燥ワカメと思っている人も多いでしょう。確かに「売られている形状」で言えば間違いではありません。しかしワカメの分類で大切なのは形状ではなく原材料なのです。
上の写真、原材料名が「わかめ」となっていますね。「ワカメの原材料?そんなんワカメに決まっているでしょ!」と思うのは当然の人情。しかし試しにスーパーなどで売られているワカメのを片っ端から見てみてください。そのほとんどの原材料名の欄には「湯通し塩蔵わかめ」と書かれているはずです。
それは一目で「塩蔵」なことが明白な、食べるときに塩抜きが必要な塩にまみれた生ワカメだけではなく、乾燥して売られているワカメ、そのまま使えるカットワカメにも使われているのです。
身近な例では、
ワカメ革命を起こしたとも言われる(というか私が勝手に言っている)あの有名なお手軽カットワカメも例外ではありません。
↑の商品ページには「原材料名:湯通し塩蔵ワカメ」と明記されています。
湯通し塩蔵わかめとはどんな風に作られるの?
日本わかめ協会(というのがあるんですね~)のサイトには、わかめの分類について下記のように書かれています。
湯通ししたわかめを、おいしく食べられるよう保存するために塩蔵したものを「湯通し塩蔵わかめ」と呼びます。
また「湯通し塩蔵わかめ」を塩抜きし、食べやすくカットして乾燥したものは「乾燥わかめ」「カットわかめ」などと言われます。
ここでは湯通し塩蔵ワカメから作られる製品としての「生ワカメ」と「乾燥ワカメ」のことが説明されています。
「湯通し塩蔵ワカメ」ありきの説明になっていますね…
その団体名からきっと日本におけるわかめの元締めであろうと推測される日本わかめ協会のこの解説は、読みようによっては、流通しているすべてのワカメは収穫したらゆでて塩漬けにされるみたいですが、そうではありません。海から収穫したワカメを湯通しせずにそのまま乾燥させる方法もあるのです。お待たせしました。いよいよ「わかめ」を原材料とした乾燥ワカメの登場です。
収穫したワカメを湯通しせずに乾燥させる。これが「ワカメを原材料とした素干しタイプの乾燥ワカメ」です。天日干しで乾燥させる「素干し」の他に、灰にまぶして乾燥させる「灰干し」という干し方もあります。
ワカメを灰干しにするのは、鳴門地方のものが多いらしいです。
「生ワカメ」は実はナマではなかった?
一般的にいわれている「生ワカメ」は、前述したように収穫したワカメをいったん茹でてから保存が利くように塩漬けにしています。ですから厳密な意味では「生」ではないのです。そして塩蔵ですから調理の際に水に漬けて塩抜きをしてから使います。この「茹でる」、「塩抜きのために水に漬ける」ことによって失われてしまう栄養素がビタミンやカルシウム、カリウムなどです。
塩抜きせずに使える手軽な乾燥タイプのカットワカメも同じく、
という工程を経ていますので、茹でる・塩抜きの過程で有用な栄養分が失われてしまっていることは生タイプと同じです。
文部科学省「食品成分データベース」で、乾燥ワカメと湯通し塩蔵ワカメの栄養分を比べてみた
さて、では湯通し塩蔵ワカメは、湯通しして塩抜きをすることによりどのくらいの栄養素が失われていしまっているのでしょうか。
文部科学省「食品成分データベース」というサイトでは、任意の食品や栄養素を選んで比較することができます。
ここで次の5種類のワカメを選んでその成分を比較してみました。
- ワカメ原藻、生
- 乾燥ワカメ/素干し、水戻し
- 乾燥ワカメ/灰干し、水戻し
- 湯通し塩蔵ワカメ/塩抜き
- 湯通し塩蔵ワカメ/塩抜き、ゆで
結果はご覧の通り、特に赤で囲んだ部分が、乾燥ワカメと湯通し塩蔵ワカメの差が顕著ですね。
ちなみに、これによるとワカメの中で一番栄養成分が豊富なのは「ワカメ原藻・生」。わかめの栄養を余すところなく摂取するなら海から採取したワカメをそのままワシワシと喰らうことが栄養的にはベストでありますが、ワカメの産地でないと難しいですよね。
また、この栄養素比較表は素干しタイプの乾燥ワカメは「水戻し」の状態での栄養分が記載されていますが、水戻しの段階で失われてしまう栄養素もあります。ですから味噌汁やうどんなど汁物に入れるのなら水戻しせずにそのまま使えばさらに栄養素を逃さず摂ることができます。
もう一つワカメについてあまり知られていないと思われる豆知識。
原材料に「わかめ」を使った乾燥ワカメをはどこで買える?
ここまで読んでくださったあなた、いよいよ原材料=わかめのワカメが欲しくなってしまったのではないですか?
我が家もこのお話の冒頭に戻って湯通し塩蔵ワカメではない素干しタイプの乾燥ワカメ探しの旅に出たのですが、実はこれが苦難の道のりでした。
すでに夫が各種スーパーはもとより、成城石井、紀伊国屋、明治屋などの高級スーパーから生協系、業務用スーパー、オーガニック系スーパー、百貨店の食料品売り場まで探しに行っていましたが見当たらず。
さらにネットでも探したそうですが、amazonや楽天などは原材料名が説明されていない商品、書かれていてもネットで見る限り確証が持てなくていま一つ購入に踏み切れず。
でもとうとう見つけましたよ。そこは各都道府県のアンテナショップが入っている東京は有楽町の「交通会館」でした。百貨店やセレブスーパー、オーガニック系スーパーなどでも見つからないのでワカメの名産地の特産品ショップなら、売ってるんじゃないかと予想してアンテナショップも廻っていた中で見つけました。
兵庫県豊岡市のアンテナショップ「コウノトリの恵み 豊岡」
兵庫県って神戸のイメージが強いのですが、豊岡市は日本海側に位置しています。この中国地方の日本海側(鳥取とか島根とか)では収穫したワカメを海風で乾燥させた「板ワカメ」が作られているそうです。
ちょうど新ワカメの季節だったので、限定生産の「神水わかめ」が売られていました。お値段は100gで1,300円(税込)。
100gの乾燥ワカメがどのくらいの量かというと、味噌汁1杯に必要な乾燥ワカメの量は0.1gといわれています。ということは、100gで味噌汁1,000杯分。値段にして1杯あたり1.3円。我が家は2袋買いましたが、これで1年間は持つだろうとふんでいます。
一見すると昆布のように板状になっているこのワカメは、カットして密閉容器に保存しておいてけば、味噌汁やうどんにそのままつまんで入れられるので、とても使い勝手が良いですね。あるいは炊き立てのご飯に混ぜてしまえばワカメご飯のできあがり。
悲しいお知らせ:コウノトリの恵み 豊岡 2020年閉店
ここで悲しいお知らせです。
やっと見つけた乾燥ワカメの貴重な供給源、「コウノトリの恵み豊岡」は、2020年冬に訪れたときには何と!閉店していました。
同じ交通会館内の「徳島香川トモニ市場」で乾燥ワカメ発見!
しかし、神は我々を見捨てたわけではありませんでした。
コウノトリのめぐみ豊岡閉店に打ちひしがれて交通会館を彷徨い歩く私たちは、同じく交通会館内にある「徳島香川トモニ市場」(徳島県と香川県の共同アンテナショップ)でも鳴門ワカメの乾燥ワカメを見つけましたのでした。今度からはここで買いましょう。
ここで私の手抜き定番お弁当ご紹介
用意するもの
そして乾燥ワカメ
ランチジャーに袋めんの中身と粉末スープ、一口大に切った(折った)板ワカメを入れるだけ。お昼になったら会社の給湯器でお湯を入れればあったかランチの出来上がりです!
結論:本物の「乾燥ワカメ」は手に入れづらいが、栄養分は豊富で使い方もお手軽
ここまでお読みくださりありがとうございました。
ご紹介してきたようにワカメを食べるのなら、できれば湯通し塩蔵タイプではなく素干しタイプの乾燥ワカメが栄養面、お手軽さにおいて抜きん出ています。
その代わり素干しタイプの乾燥ワカメの難点は「あまり出回っていない」ということ。ただし乾物だけに保存が効きますので、もしどこかで素干しタイプの乾燥ワカメに出会ったら、我が家のようにまとめてゲットしてしまうば安心ですよ。
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