「日枝神社」と名の付く神社は全国にたくさんありますが、これらの総本社は滋賀県大津市にある「日吉大社」です。この日吉大社で祀られるのが比叡山に鎮座する神々で山王といいます。比叡山は元々日枝山と言ったので、日吉大社から勧請をうけたこの神様を祀る神社には日枝神社、山王神社、日吉神社の名称がついています。東京十社の一つであるこの神社も別名「山王さま」、「山王日枝神社」と呼ばれ、最寄駅も「溜池山王」です。
将軍家産土神から皇城の鎮護へ
鎌倉時代、埼玉県川越市の山王神社から勧請したのが始まりと言われていますが、この神社がその名と権威を高めるのは徳川家康が江戸に入府してからです。徳川家康の改府にあたり太田道灌がここを徳川将軍家の産土神・江戸の総鎮守として、社殿の造営や社領の寄進などを行いました。当時は江戸城内にありましたが、その後現在の国立劇場の場所に移り、庶民も参拝できるようになりました。
現在の社殿は四代将軍家綱の時代、明暦の大火で前社殿が焼失した後遷移しました。この場所は江戸城の裏鬼門(南西)にあたります。
さらに明治時代には社格としては最上位(伊勢神宮を除く)官幣大社となり、皇城の鎮護の神社として人々の崇敬を集めました。
都心ならではの新しい景観
外堀通りに面した日枝神社系列特有の「山王鳥居」はさすがに千代田区永田町に鎮座するだけあり、背後に都心の高層ビルを従えた東京都心ならではの威容を見せています。参道にはエスカレーターも併設されています。階段を上りきるとハートカクテルでおなじみのわたせせいぞう氏による初詣PR看板がお出迎えしてくれました。コンクリート製ながら校倉造の宝物殿には、将軍家が奉納した刀剣などが展示され、無料で見学できます。御朱印もここでいただくことができ、神社オリジナルの御朱印帳も手に入れることができます。かわいらしいパステルカラーのものが中心で、中には猿をモチーフにしたものもあります。日枝神社は猿を神様の使いとして、あるいは神猿として崇めていることが多く、これは「魔去る」として厄払いの意味もあります。
御朱印は東京十社専用御朱印帳にいただきました
御朱印の他に神紋の一つである二つ葵が緑色の朱肉で捺されます。御朱印料は400円以上のお志と書かれています。カラー御朱印で有名な新橋の烏森神社は500円なので、色が増えると価格が上がるのでしょうか?
とても丁寧に書いてくださるようで、結構時間がかかるのですが、楷書のお手本のような美しく力強い筆致で、思わず何度も見入ってしまいます。
日枝神社データ
社名 | 日枝神社 |
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ふりがな | ひえじんしゃ |
創建 | 1478 |
別名 | 山王社,山王さん |
住所 | 東京都千代田区永田町2-10-5 |
御祭神 | 大山咋神 |
ふりがな | おほやまくひのかみ |
神徳 | 厄除け,安産,縁結び,商売繁盛,社運隆昌 |
公式サイト | http://www.hiejinja.net/ |
位置 | 35°40'29.0"N 139°44'22.3"E |
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