江戸三十三か所札所巡りをしたいけど、具体的にどういうコースがいいの?
オススメの回り方、周辺の観光地も一緒にまわる場合は?
そんな疑問をお持ちの方に、江戸三十三観音、東京十社、関東三十六不動、秩父三十四か所の札所巡り経験者、かつ週末には東京中を歩き回っている私アカジンがオススメのコースをオリジナルルートマップ付きでご紹介するコーナーです。
歩き巡礼を強く推奨する当サイトですが、電車やバスを併用した回り方もあわせて紹介します。
すべての札所が東京23区内にある江戸三十三観音だからこそ、電車やバスも利用しやすいわけで、歩き巡礼はハードルが高いと思っている方も電車やバスを上手く使って自分に合う回り方を見つけてくださいね。
巡礼以外のオススメポイントも惜しみなくご紹介しますよ!!
今回のルートは、四谷から青山、六本木、虎ノ門などをまわるコース。神宮外苑や六本木ヒルズ、麻布十番など都会っぽい場所をルートに組み込みました。
各札所間の距離があるので、18番→24番→22番→20番と4か所です。本当はこの後東京タワーまでもう一息足を延ばして28番、21番と行きたいところですが、坂が多いコースで距離も長くなってしまったので、この2か所は別のコースに組み込むことにしました。
18番札所:真成院
本コース最初の札所は18番真成院です。最寄り駅はJR中央線、東京メトロ丸の内線/南北線の四ツ谷駅ですが、四ツ谷駅から真成院までの道がわかりにくいので、それもルートマップに記載しています。
四ツ谷駅から新宿通りを新宿方向に向かい、350mくらい先、ジョナサンとファミリーマートのあるビルを通り越したら左に曲がります。ずっと進むと古い石垣の塀に突き当たります。その塀に「四谷霊廟(真成院)」の看板が貼ってありますので、看板の矢印通りに右に曲がって最初の路地を左に入ります。ここはなかなかの下り坂です。この坂の右手に見えてくるのが目指す真成院です。
坂の終わりにある黒い門のところから入り、左手に回ると寺務所の入り口がありますので、江戸三十三観音のお参りに来たことを告げてから、観音様がおまつりされている2階に行ってお参りしましょう。
金鶏山海繁寺真成院について詳しくは
次は24番札所梅窓院へ向かいます。
真成院から24番札所梅窓院への移動ルート
真成院を出たら来た方向と反対に進みます。目の前の角を左に曲がり、一番最初の路地を右に曲がります。まっすぐ400mくらい進むと、「左門町」という交差点に到着します。左右の大きな道は外苑東通りです。
左門町を左折してJR信濃町駅方向に向かいますが、次の経路を考慮してまずは左門町交差点で外苑東通りを向こう側に渡ってから左折しましょう。慶応病院、信濃町駅、中央線各駅停車の線路、首都高と通り過ぎたら今度は横断歩道を渡って道の左側に渡り、その先は道なり、神宮外苑の外周道路を進みます。神宮外苑を右手、「ニコニコパーク」を左手にして進みます。神宮外苑の外周道路は陸上トラックのような長丸状になっていて、今回は上の頂点(JR信濃町駅付近)から時計りに回るイメージです。外周の半分くらい行ったら、絵画館前の広場になりますので、そこを左に折れます。
ここがかの有名な神宮外苑のイチョウ並木です。毎年12月半ばくらいが見ごろのようですね。並木道の青山通り近くには、すごい並ぶハンバーガー店もあるらしいですね。
イチョウ並木が青山通りにぶつかったら右折して渋谷方向に向かいます。目的地は青山通りの左側にあるので、早い段階で青山通りを渡っておきましょう。
イチョウ並木を出て青山通りに入ってから300mくらいで、東京メトロ銀座線外苑前駅の出入り口が見えてきます。出入口のすぐそばにオシャレな日本料理店かと見まがう竹林があり、それが24番札所梅窓院の山門へのアプローチです。
徒歩での移動が辛い人は
- 都営バス品川車庫前行き(品97)四谷三丁目停留所から青山一丁目駅前下車(6停留所)
24番札所:梅窓院
梅窓院の本堂は、平成16年に新しくなりました。新しいも新しい、新しくなりすぎで、設計を手掛けたのは浅草観光文化センターや銀座の歌舞伎座を設計し、2020年東京オリンピックのメイン会場新国立競技場も手掛けることになった世界的な超有名建築家、隈研吾さんだそうです。
隈研吾って、ビルに板切れ貼り付けるのが好きな人…
と思ってたら何と!隈研吾氏の事務所も梅窓院のお隣にあったのでした。ご近所さんのご縁ですかね。お寺だけに。
隈研吾さんの事務所も、板切れ貼りついてました
山門を入った突き当りにある案内所に江戸三十三か所の札所巡りに来たことを伝えると、法要中でなければ、モダン本堂に安置されている観音様にお参りすることができます。
御朱印もここでお願いします。
長青山宝樹院梅窓院について詳しくは
梅窓院を出たら、次は22番札所長谷寺(ちょうこくじ)へ向かいます。
梅窓院から22番札所長谷寺への移動ルート
梅窓院から長谷寺までのルートは、青山墓地(都立青山霊園)を通って行きましょう。
入ってきた山門ではなく、山門と受付の間にある黒い鉄の門からお寺のわきの道を右に進みます。(この道をはさんだ向かいが隈研吾さんの事務所です…しつこい…)
インテリジェントビルやオシャレなショップが並ぶ青山通りからワンブロックも入っていないのに、この道はもう墓地ワールドです。青山通りを歩いているだけだと中々気づかないですよね。左手のテニスコートを通り過ぎたら一つ目の角を左に曲がり、青山墓地の敷地に入っていきます。
青山墓地は桜の名所です。墓地と桜というのは深い縁があるようで、谷中霊園とか小平霊園もそうですね。
俗に「桜の下には人が…」とも言いますしね
200mほど進んだ角に「乃木将軍墓道」の碑がありますので、そこを右に曲がって青山墓地のメインストリートを行きましょう。
青山墓地(都立青山霊園)には大久保利通など政府の要人から忠犬ハチ公まで数多くの有名人のお墓があります。
http://www.hanami-zuki.com/ijin/aoyamareien/index.html
上記のWebページは、青山墓地に眠る有名人・著名人の一覧と墓所の区画が一覧表になっているという力作ページです。興味のある人はお墓参りもしてみてはどうでしょう。
徒歩での移動が辛い人は
- 都営バス目黒駅前行(黒77)北青山三丁目停留所から西麻布停留所下車(4停留所)
- ちいばす(港区コミュニティバス)青山ルート・外苑前駅から西麻布二丁目下車(6停留所)
22番札所:長谷寺
長谷寺の札所本尊の観音様は、江戸三十三観音中最大、別名「麻布大観音」です。山門を入ってすぐ右、二階建ての観音堂に、高さ10メートルの木造の十一面観音立像が安置されています。結構圧巻です。
本来ここに安置されていた観音様は、鎌倉の長谷寺、奈良県桜井市の長谷寺と並び、日本最大長谷観音(長谷寺式十一面観音)と呼ばれていたそうですが、戦災で焼失し、現在の観音様は再建されたものです。それでも大都会から一本入ったところに10メートルの十一面観音立像があるとは、江戸三十三観音札所巡りをしなければ気づかないことですよね。
補陀山長谷寺について詳しくは
桜井市の総本山長谷寺の探訪記は
長谷寺を出たら、次は20番札所天徳寺へ向かいます。
長谷寺から20番札所天徳寺への移動ルート
長谷寺の山門を出たらまっすぐ進み、首都高が上を走る高樹町交差点に出たら、左に曲がって六本木方面に向かいます(六本木通り)。道を渡れるところがあったら反対側に渡っておきましょう。ここから六本木ヒルズまではゆるゆるとした上り坂になっています。地味に足に来ますが頑張りましょう。
1kmくらいで右側に六本木ヒルズが見えてきます。ここから六本木さくら坂を通って麻布十番方面に向かいます。
六本木ヒルズの手前で右に曲がり、マクドナルドと上島珈琲の間の道を行きます。一つ目の信号を左に曲がるとそこはけやき坂通り。けやき坂通りに入ったら、最初の信号を右折し、さくら坂方面に向かいます。
この道は六本木ヒルズのレジデンスが建ち、インターナショナルスクールもあるIT社長と元モデルの夫妻がかが住んでいそうな選民意識を感じられるエリア(妄想)です。
この道は下り坂ですが、道の右側は結構な崖っぽくなっています。高級マンションエリアの先にそそり立つ庶民的なコンクリート塀の向こうは都立六本木高校です。ちょっと日常感が戻ってきたところで、そろそろ麻布十番エリアです。六本木高校の塀に沿って進み、海南鶏飯を左に見てちょっと行った先で道が二手に分かれますので、左側の石畳の坂道を降りていきます。ここが麻布十番に向かう道で、麻布十番商店街のはじっこです。
ここから麻布十番の駅に至るまでの道、およびそれと並行した道が麻布十番商店街となります。
が
今回は麻布十番商店街は途中までしか通りません。なぜなら距離が長すぎてしまうから。
もちろん健脚の人は「意外に庶民的よ(ホントかよ?)」などと言われる麻布十番商店街を堪能してくださいね
さて、ということで麻布十番商店街に未練を残しつつ石畳の道に入って最初の信号を左に曲がり麻布十番商店街に別れを告げましょう。
すぐに「鳥居坂下」という交差点がありますから、ここを渡り、正面の坂(鳥居坂)を登ります。この鳥居坂、鳥居坂下の交差点からは見上げるほどの急坂なのでご承知おきくださいませ。
坂の両側にはシンガポール大使館、東洋英和女学院、フィリピン大使館、日本銀行鳥居坂分室、日本基督教団鳥居坂教会…と治安のよさそうな建物が並びます。
と、思いきや。
鳥居坂は全長500mくらい。トヨタレンタカーなどの生活感を取り戻す施設が見えてきたら、外苑東通りと交差する六本木五丁目の交差点です。
六本木五丁目の交差点の左側は、バブル世代には懐かしい「ロアビル」ですよ。昼間久々に見たら、だいぶくたびれた感じに…
六本木五丁目の交差点を右に曲がり外苑東通りに入ると、真正面に東京タワーが見えてきます。ちょっと気分の良いこの道をしばらく進みましょう。
東京タワーを正面に見据えながら首都高の高架をくぐり旧郵政省跡、ロシア大使館(警備が厳重)などを左右に見つつ750mくらい下り坂を進み、「飯倉」交差点を左に曲がります。ここは桜田通りという通りです。東京タワーとはここでちょっとお別れ。さあ、目的地までもう一息です。
飯倉交差点が近づいてくると、左手に「絶対宗教施設に違いない」と思われる巨大なピラミッドのような真っ黒な大屋根が見えてきます。調べてみればやはり見た目を裏切らず、「霊心会釈迦堂」でした。
飯倉交差点から神谷町にかけての桜田通り左側一帯は、森ビルによって再開発中で、通り沿いの小さなビルはすでに立ち退きが完了した様子でした。
ここに東京タワーを超える高さのビルが建つらしいですよ。
さっきご紹介した霊心会釈迦堂の前にある民家も人気がなかったので、ここも取り壊しになって、釈迦堂の威容(?)も見えなくなってしまうのでしょうかね。
桜田通りを500mくらい行くと、東京メトロ日比谷線の神谷町駅の入り口が見えてきます。その先、「神谷町」の交差点を右折します。そしてすぐにドトールの角を左に入ります。200mほど行くと左手に目的地、20番札所天徳寺の入り口です。
徒歩での移動が辛い人は
- 都営バス渋谷行(渋88)西麻布停留所から神谷町駅前停留所下車(7停留所)
- 東京メトロ日比谷線六本木駅から神谷町駅下車(1駅)
20番札所:天徳寺
光明山和合院天徳寺は当サイト分類による「地元のお寺」です。地元のお寺とは檀家さんのお葬式や法事などをお寺で、家族で営んでいる場合がほとんどです。ですので地元のお寺に行くときは、訪問時間に注意してください。
札所本尊の観音様は下の写真のお堂におまつりされています。お堂の入り口に「観音様のお参りの人はインターフォンを鳴らしてください」と書いてありますので、お言葉に甘えて鳴らすと、お寺の人が出てきてお堂に上げてくれ、お堂の中の観音様に直接お参りさせてもらえます。
お参りの前に御朱印帳をあずけて、お参りの間に御朱印をしてもらえます。
光明山和合院天徳寺について詳しくは
天徳寺からのお帰りは
- 東京メトロ日比谷線・神谷町駅:徒歩5分
- 都営地下鉄三田線・御成門駅:徒歩9分
- 東京メトロ銀座線・虎ノ門駅:徒歩11分
本コースの詳細マップ(ポイント解説付き)
長々お付き合いありがとうございました。(今回は特に長いです…)
四谷から神谷町まで。坂も多くかなりタフなコースとなってしまいました。
冒頭にも書きましたが、本当は20番札所天徳寺のすぐ近くに21番増上寺と28番金地院があり、そこを今回のルートに入れるかどうか迷いましたが、コースのトータル距離を考えると、これらのお寺は別のコース(品川宿コース)に組み入れることにしました。
逆に今回は天徳寺をスキップして、品川コースの時に天徳寺を回るという選択もアリだと思います。
今回作成した地図はこちら。
冒頭でご案内しましたが、至らぬ部分もございますので、いざお出かけの際はもう一度ご自分で確認してからお出かけくださいね。
普段の都内ウォーキングでは、港区に出かけることは多くないのですが、今回のルートの最後に歩いた鳥居坂、麻布台、神谷町、虎ノ門あたりの再開発と坂についてはもっと調べてみたいと思っています。その際にはもちろん当サイトでもご紹介する予定ですよ。
昭和新撰江戸三十三観音の概要や、札所巡りに関するアドバイスはこちら
昭和新撰江戸三十三観音この他のおススメ徒歩ルートはこちら
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