女性が白髪染めをやめ、グレーヘアで生きていくためには何に注意すべきでしょう。
私は52歳で白髪染めをやめました。若い時のオシャレ染めから数えて約30年の毛染め生活に終止符をうったのです。その際、グレーヘアが見苦しくならないように自分なりに考えたのは「ベリーショートにしてマメにカットをする」こと。とはいえマメに美容院に行ってカットするのはお金も時間もかかる。そこでいわゆる”1000円カット”のカット専門店「QBハウス」を利用することを思いつきました。
結果はまず満足。白髪染めをやめてほぼ1年たちますが、今も月に一回のペースでQBハウスを利用しています。これからも利用し続けるつもりです。
そこで本記事では、QBハウスをはじめとするカット専門店に興味を持ちながら、「女性がそういうお店に行くのは実際どうなの?」と思っている人たちに向けて、私のQBハウス体験記をご紹介します。
QBハウスならマメにカットに行けると思った理由
美容院について、次のような不満や不自由さ、ストレスを感じたことはありませんか?
私は白髪を染める染めない以前から感じていました。
カットカラーで1回10,000円以上かかる
これは大きな問題です。カラーをやめたとしてもカットだけでも5,000円以上かかりますし、トリートメントやヘッドスパを勧められて断れなくてそれ以上の出費になることもありました。
予約が思うように取れない
- 「そろそろ美容院に行かなきゃ」と思って予約の電話をしようと思ったら定休日だった。
- 翌日予約の電話をかけるのを忘れてしまった。
- やっと電話したら希望の日時に担当者が空いてなかった…。
- そんなこんなで実際美容院に行けたのは当初の予定より2週間くらい過ぎていた。
いきつけの美容院が電話予約しか受け付けてなかったらこんなことはザラですよね。
カットとカラーで2時間以上かかる
休みの日に美容院に行くと半日潰れてしまいます。たとえば午後2時にしか予約がとれなかったらほぼ一日を美容院に合わせて動くことになってしまいます。
平日にカットカラーをしようと思えば8時閉店のお店の場合なら6時には行かなければなりません。予約した日に思わぬ残業になった場合「今日は美容院予約しているので残業できません」とはなかなか言えませんよね。
時間とお金、手間暇すべてにおいて少ない負担とは言えない美容院。白髪染めをしていたころは2か月に1回、ひどいときには3か月も空いてしまったりしましたが、これからは1か月に1回は行きたい。
そのためにはこの時間・お金・手間暇の三重苦を克服しなければなりません。
これらの課題をクリアできるのが、1000円カット・所要時間10分・予約不要・原則年中無休・最終受付時間が遅い(21時閉店なら最終受付20:30)という条件を備えたQBハウスというわけです。
2019年2月から、料金は税込1200円に値上げされました。ニュースにもなりましたね
QBハウスの客層とお店の雰囲気
「1000円カットの客はおっさん(ならびにおじいさん)と小学生以下の子どもばっか」と思っている方も多いと思います。もちろん主流がその層であることは否定しませんが、実体験では中高生の女の子や若い男性もいましたし、自分自身が好奇の目で見られたことはありません。
私は平日の夜に行くことがほとんどなので、主婦っぽい女性客を見たことはありませんが、ショッピングモールに入っている店舗などでは、平日昼間にはそういった客層も多いのではないでしょうか。
店内は簡素で全く飾り気は無く、美容師さんはブルーのチェックのシャツに黒のソムリエエプロン(長い前掛け)といういで立ち。社員食堂や市役所併設のカフェといった雰囲気です。
QBハウスでカットする一連の流れ
では、体験談から普通のヘアサロン(美容院)に行っている人はちょっと戸惑うQBハウスでの具体的なお作法を紹介します。
受付やアシスタントはいない
店には受付が無く、まずは券売機でカット券を購入します。店舗によっては現金のほかにSUICAなどの交通系ICカードや電子マネーも利用できます。クレジットカードは今のところどこの店でも使えないと思います。(公式サイトにも使えるとは書いてありませんでした。)
ちなみに、現金の場合千円札や100円玉以外の紙幣や硬貨も使えるらしいです。
とはいえ1円玉、5円玉はさすがに使えない。(公式サイトより)
受付が無いのでコートや荷物は順番が来てカット台に行ってからロッカーで預かってもらいます。
待合の椅子は順番に座る
待合スペースに「ここから順に座ってお待ちください」と表示がありますので、来店した順番に座ります。用事で椅子(店内)を離れるともう一度並び直しになってしまいます。ここまでくると予想は付くと思いますが、待合の椅子にはサービスの雑誌などは置いていません。
店内に客用のトイレは無い(少なくとも私の行っている店舗では無い)ので、トイレは事前に済ませておきましょう。
予約や指名は「できない」
予約不要のQBハウスですが、これは逆を返すと「予約不可」ということ。さらにどのくらい混んでいるのかもお店に行ってみないとわかりません。とはいえ一人当たりの所要時間が短いので、3人くらい待っていてもあっという間に順番が回ってきます。
ただし「カットカルテ」というアプリがあり、過去の実績から出した混雑予報が見られます。
カットカルテについては、他の機能もありますので、詳しくは後述します。
そしてもう一つ、指名制度・担当制度はありませんので、もし気に入った美容師さんがいても、次もその人に担当してもらえるわけではないのです。
席についてからのお作法
席に着いたら荷物とコートを預けてロッカーにしまってもらいます。
椅子に座ると首に紙製のタオルがまかれ、ケーブが掛けられますが、このケープは袖の無いものなので、カットの間スマホを見たり本を読んだりとかはできないと思ってよいでしょう。メガネはメガネケースを渡されるのでその中に置きます。
いよいよ美容師さんにオーダーをして(オーダーの注意点は後述)カットをしてもらいます。美容師さんや髪型によって霧吹きをするか、ブロッキングをするかはまちまちです。
カットが終わったら合わせ鏡で確認をします。OKだったらその後、切った毛クズを掃除機のホースのような機械で吸引します。
顔についた毛クズは、簡単にティッシュや首に巻いていた紙タオルで払ってくれ、最後に使い捨てのおしぼりをくれます。(自分で毛クズを取る用)
これで終了。カットにつかった使い捨てのコームを持って帰るかどうか聞かれますので、持って帰りたい人はもらって帰りましょう。(お見送りはありません)
QBハウスで失敗しないオーダーの仕方
カット料金、所要時間、営業時間などは無問題のQBハウスですが、やはり最大の関心は技術力。気に入らない髪型にされたらそれは悲惨ですからね。とはいえ指名も担当制もカルテもないので、思い通りのヘアスタイルにしてもらうには「伝え方」がキモになってきます。
ヘアカタログは無いので写真があれば持参
QBハウスにはヘアカタログは無いので、具体的なイメージがあれば写真を持参しましょう。正面・サイド・フロントの写真があればベストです。
前回カットしたての自分の写真を撮っておいてそれを見せるのもアリですね。
先ほど「カットカルテ」というアプリがあるとご紹介しました。このアプリにも希望のヘアスタイルを取り込んだりする機能があるので試しに使ってみたところ、女性のヘアスタイルのカタログはスタイルが2種類しかないし、細かい希望を伝える機能が付いているものの、特にそれで出来上がり予想のシュミレーションができるわけもなく、「恥ずかしくて美容師さんとまともに話ができない」くらい人見知りな人でなければ、オーダーの助けにはならない印象です。(2019年3月調査)
カットカルテ
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イメージではなく具体的に注文を伝える
写真を使わずに希望を伝える場合は、「スッキリさせる」とか「春っぽいイメージに」という伝え方ではなく、「何センチ切る」、「前髪は眉が隠れる長さ」、「できるだけ梳いてほしい」、「トップは何センチ」など具体的に注文を出しましょう。
ツーブロックの内側と後ろの刈り上げ部分は12ミリ、他は長さ1センチカット、前髪は斜めにアシメ、時間が許す限り梳いてください
以上が私のオーダーの仕方です。(どんな髪型なんだよ…)最初に刈り上げてもらった時、美容師さんが「今日の刈り上げは15ミリなので、今後の参考にしてください」と教えてくれたので、以降ありがたく参考にさせてもらってます。
1か月に一度行くので、ツーブロックや刈り上げのラインは見ればわかるはずです。今のところ「なんて髪型にしてくれちゃってるんだ」と思ったことは一度もありません。
とはいえ、当たりの人とはずれの人がいるのは事実…
一般的な美容院とうまく併用する
まずはカウンセリングなどをしてくれる美容院に行ってカットし、カット直後にその髪型を写真に撮っておいて、QBハウスに行ったときに見せるのもイメージ違いを防ぐ一つの方法です。
私の体験からいうと、一般的な美容院は初めてのお客さんにはとても丁寧に対応してくれます(リピーターになってほしいですからね)。美容院には悪いですが、ホットペッパーなどの初回割引クーポンを利用して一般的な美容院に行ってしっかりスタイルをキメてもらって、その後1か月以内(カットの痕跡が残っているうち)にQBハウスに行き始めるという作戦もあります。
QBハウスに行くときの注意事項
次にご紹介するのは、QBハウスに行くにあたって嫌な思いをしないための自衛策です。
出かける前は避けた方が無難
カットが終わった後に毛クズを掃除機状の機械で吸い取るのは前述した通りです。専門に開発された機械でしょうからおおむね問題ないのですが、それでも水で流すほど完ぺきではありません。ですから終わったらすぐに帰宅してシャンプーできるタイミングで行くのがベストと言えます。
雑誌やスマホを見たりはできない
前述の通り、ケープに袖が付いていないので、カット中にスマホや本を見たければケープから手を出すことになり、ケープの意味が無くなるので止めた方が良いでしょう。各席の前にはテレビモニターがあり、ニュースフラッシュとQBハウスのCMが流れていますので、それでも見ながら過ごしましょう。10分ですからね。
ちなみに美容師さんに話しかけても問題ないですよ。
スタイリング剤は付けずに行く
シャンプーが無いので、できればスタイリング剤を付けない状態で行くがベストです。ゆるめのジェルなどなら影響ないとは思いますが、キープ力・立ち上げ力が強いハードワックスは、ボリューム感などカットの精度にも影響するかもしれません。
ヘアカタログの用意は無い
繰り返しになりますが、ヘアカタログ(参考写真・モデル写真)は自分で用意しましょう。美容師さんにアドバイスを求めれば、何らか答えてくれるとは思いますが、画期的なアドバイスなどは期待しないようにしましょう。
こんな人はQBハウスはやめた方が良い
QBハウスのようなカット専門店を便利に思う人もいれば、おススメしない人もいます。美容院に求めるものは人それぞれ。自分のニーズとカット専門店が合っているかどうか、見極めのご参考までにご紹介します。
- 美容院に行く時間、美容院という空間を楽しんでいる人
- 大幅にスタイルチェンジをしたい人
- 美容師さんに色々相談したい人
- いつも決まった美容師さんに担当してもらいたい人
QBハウスはちょっと…という人には新業態FaSSもあり
QBハウスを運営する会社が、新しい業態のカットハウスを始めたようです。
20分2000円、カウンセリングやスタイリングあり、毛クズはドライヤーで飛ばす、待っている間は店を離れてもOKなどの違いがあるようです。QBハウスには抵抗がある人は、こちらを視野に入れても良いかもしれませんね。
ただし、2019年3月時点で店舗数は10数店舗、立地も東京の西部(代官山、自由が丘、下北沢、三軒茶屋)や横浜、川崎などしかないですね。この店舗展開を見ると学生さんや若い人がターゲットなのでしょう。美容師さんも若い人を揃えているみたいです。
おばさんは却ってこういったお店の方が敷居が高いかも…
まとめ
以上、白髪対策としてQBハウスを利用しておおむね満足している私からの体験記とアドバイスでした。
女性が白髪を染ずグレーヘアで生きていくことは思ったよりハードルが低いというのが私の実感。それに大きく貢献してくれたのがQBハウスというわけで、ちょっと長いご紹介になってしまいました。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。
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