再度国立博物館に赴き、今度は本館の仏像を撮ってきた①に引き続き、しつこく仏像の写真をお届けします。
不動明王立像(重要文化財)
ふどうみょうおうりゅうぞう。平安時代(11世紀)の作。木造彩色で、年月を経て色は落ちていますが、その片鱗はしのぶことができます。
不動明王というのは、片目を閉じているのがお決まりの表情なのですが、今回面白いことに気づきました。まずは見開いた目(右目)側からのショットをご覧ください。
そしてお次は閉じている方の目側(左目側)から撮ったショット
何だかウインクしているように見えてしまいます。元々不動明王像はぷっくりとした幼児体型が多いので、これに茶目っ気のある表情が加わってしまうと、憤怒の表情で厳しく人を導くというコンセプトからだいぶ外れてしまいそうです。ということで、お不動様らしい写真を撮るには左側はNGだということがわかりました。(牙の向きが上向きなのもお茶目な表情を加速させているみたい)
他のパーツも撮ってみました。
足元のショット、この岩みたいな台座はよく見られます。
手元のショット。羂索(けんじゃく。悪を縛り上げ、また煩悩から抜け出せない人々を縛り吊り上げてでも救い出すための投げ縄のようなもの)を持っています。
銅造聖観音菩薩立像(模造)
こちらは、奈良薬師寺の観音像の模造品です。本物は飛鳥時代~奈良時代にのもので国宝です。この模造は昭和に作られたそうです。本物は奈良薬師寺東院堂でね。
如来立像
にょらいりゅうぞう 飛鳥時代(7世紀)のもので、法隆寺に献納された像だそうです。楠木像。口を開けて微笑んでいる表情、螺髪(パンチ状のもの)のランダムさが何やら親しみやすいですね。
阿弥陀如来坐像
静岡県の願生寺の所蔵で運慶系の仏師の作だそうです。鷹揚な貫禄ある表情ですね。
鎌倉時代になると「玉眼」といって玉を使って眼球を作ったそうです。これによって視線の先がはっきりして表情がわかりやすくなりますね。
阿弥陀如来は人が亡くなるときに迎えに来るとき、その人の生前の行いによって9つの違う種類の印を結んでいるそうです。この像の阿弥陀様は上品上生という一番いいヤツの印を結んでいます。
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