以前からあこがれていた上高地。今まで旅行と言えば海&釣り&シュノーケリング&海の幸が殆どでしたが、ハードウォーキングと寺社巡りにいそしんでいくうちに「山もいいかもね」と、50を目の前にしてついに上高地を含む長野に旅行に行くことができました。時は2014年9月上旬。上高地はきっと早めの秋の気配がしていることでしょう。
さて、旅程を練っていく過程で、どうせ行くなら戸隠も行きたいとなりましたが、ご存じのとおり広い長野県の中で戸隠と上高地なんてまったくもって明後日の方向にあります。上高地に行くのなら松本が玄関口だし戸隠だったら長野、旅程は週末を使った一泊二日。さてどうするか?やっぱここは迷わずトライでしょう。
というわけで強行軍とは思いつつスケジュールを立てて行ってみたら、これが結構イケましたよ。というか、むしろかなり充実した一泊二日になりました。
一日目
6:25 東京発長野新幹線あさま501号で出発
2015年、北陸新幹線の開業に伴って「長野新幹線」という名称は無くなってしまいましたが、当時はこれが始発だったと思います。ガラガラでしたよ。今は土曜の始発(6:16東京発金沢行かがやき)はきっと混んでいるんでしょうね。
前日閉店前タイムセールで買っておいた日本橋高島屋の3割引き天むす弁当を車内で食す。8:00 長野着
バスで戸隠へ
長野駅は新幹線延伸と善光寺御開帳を翌年に控え、リニューアル中でした。そんな長野駅善光寺口から道を挟んですぐ向かいにあるアルピコ交通長野駅前総合案内所前から8:30発のループ橋経由戸隠高原行急行バスに乗車。さすがに乗車人数は結構いて、満席に近い状態でした。
9:24 戸隠宝光社着。ここで降りたのは私たちだけでした。みんな奥社まで直行しちゃうのかな?
戸隠五社走破
ここからは歩きです。もちろん御朱印もしっかりいただきます。宝光社バス停で降りてほどなく、まずは長い石段の洗礼を受け境内へ。参拝後、境内から伸びている「神道(かんみち)」を通って 火之御子社へ。「神道」はうっそうとした木立に囲まれた、どことなく霊気が漂う道です。行った日が雨上がりの日だったので、しっとりとしたフェトンチットの香りが霊山歩きの雰囲気を倍増させてくれました。1キロくらいなのであっという間です。
戸隠宝光社については戸隠五社めぐりのスタート地点、戸隠神社宝光社を
火の御子社についてはイシュタルの娘で、小野お通が導かれた戸隠神社火之御子社
もあわせてご覧ください。
火の御子社からバス通りに出て(引き続き神道を歩くルートもあります)中社へ向かいました。中社前の参道には宿坊やお土産屋さん、民芸店、食事処などがあります。
ここで「ん?神社なのに宿坊?」と思われた方、鋭い。私もそう思いましたが、戸隠は古くからの修験道場で戸隠五社も明治の廃仏毀釈までは神仏習合していたらしいし、広く参拝の方のための宿ということで、神職さんが営んでいる宿坊もあるそうです。
火の御子社から中社までも1キロくらい。この中社が戸隠五社の中心となる神社で、規模が大きくなっています。火之御子社のご朱印もここでいただきます。
戸隠中社については戸隠神社の中核をなし、付近には宿坊も並ぶ中社もあわせてご覧ください
中社横手の駐車場(この駐車場付近にもお土産屋さんやお食事処が結構あります)の前を通って奥社入口に至る山道を歩きます。道々にお地蔵さんがあったり、周りの山を見渡す場所があったり、傾斜もそれほどなく、快適に歩けます。ここも歩いている人は殆どいませんでした。
中社から奥社入口まで2キロくらいです。
奥社入口から奥社と九頭竜社までは100%全員徒歩です。道のりは2キロくらい。大鳥居をくぐるとまっすぐな杉の巨木の並木が伸びています。この道が曲者で「2キロ楽勝、何だったらもう2キロくらい持ってきてもらって全然OK」とか思っていたら、やたら疲労感が強い。おかしいなと思ったら、ここは結構な上り坂だったのです。まっすぐに伸びた道と杉並木がヘタすると下り坂?くらいの錯覚を起こさせるのか、見た目感覚と傾斜のギャップが余計にキツさを増すようです。この不思議な道が終わると岩場の急坂になります。ここを登りきると奥社と九頭竜社。小さい子も結構登ってました。えらいね。
ここで奥社と九頭竜社のご朱印をいただくのですが、このご朱印がすばらしかった。お寺に対して神社のご朱印はシンプルなものが多いのですが、ここのご朱印は太く堂々とした勢いのある筆致で感動的でした。
戸隠奥社と九頭竜社については荘厳な杉並木と急な山道を経てたどり着く戸隠神社奥社およびヤマタノオロチではなく九つの龍の頭を持った九頭竜大神を祀る戸隠神社九頭竜社もご覧ください。素晴らしい筆跡のご朱印を掲載しています。
さて、ここで大変なことに。長野方面に戻るバスの時間が迫っていたのです。奥社入口までの道と違い、奥社から奥社入口までの参道は、マイカーで来た人、観光バスで来た人、みんな歩いているので、結構人もいます。2キロの道を10分で駆け下り、長野に戻る戸隠奥社入口12:27発急行バス長野バスターミナル行きに間に合いました。時間が早かったのか、バスは空いていました。
善光寺周辺
バスは13:25 善光寺大門停留所着。ここから善光寺を詣でました。びんずる尊者さんもなでなでしたし(50肩が良くなりますように)、お戒壇巡りもしたし、御朱印もいただいたし。賑わいを見せる門前の参道のお土産屋さんでご当地ふなっしー(りんご・わさび・おこじょ)も購入。レトロモダンな善光寺前の町と、長野オリンピック時に設置したであろうローマ字オンリーの信号表記などを眺めながら徒歩で長野駅へ。
善光寺についてはインドから仏教伝来と同時に来日した絶対秘仏を祀る長野の善光寺もご覧ください。
本日の宿泊地へ
本日の観光はこれにて終了。早いと思うでしょ?これにはわけがあり、この日の宿泊地は上高地なのです。そこで15:00長野発ワイドビューしなの18号に乗車。松本に向かいます。車内アナウンスで初めて知ったのですが、この路線の「姥捨」という駅の付近は、日本三大車窓の一つになっているそうで、うれしいおまけがつきました。ここの写真は日本三大車窓を疾走するワイドビューしなのから撮ってみたをご覧ください。
15:55松本着。ここから16:05発アルピコ交通上高地線に乗り換えて終点の新島々に向かいます。「山の中なのに島々とはこれいかに?」な駅名ですね。ちなみにこのアルピコ交通のイメージキャラクターは「渕東(えんどう)なぎさ」ちゃんだそうで、またもや「山の中を走るのになぎさとはこれいかに?」でございます。よっぼと海にあこがれているのでしょうか?
クラブツーリズム 鉄道の旅
さて、16:35新島々着、ここから連絡している16:45発上高地バスターミナル行きのアルピコバスで上高地へ。宿泊先の大正池のほとりにたたずむ上高地ホテルに17:45到着しました。
二日目
早朝から上高地を満喫
翌日、朝早く起きて目の前の大正池を散策&撮影。朝もやに霞む神秘の大正池を写真に収めることができました。大正池付近にはこのホテルしかないので、早朝の大正池を見たいならここ一択です。朝食おいしかったですよ。高原の朝感満点です。
朝食を済ませて早々にチェックアウト。ここから大正池→田代池→上高地バスターミナル→河童橋→穂高神社奥宮→明神池と、初秋のさわやかな空気と清浄な流れを満喫しました。お天気にも恵まれて足も軽やか、行き交う人たちと「こんにちは!」と朗らかに挨拶を交わし、歩き回って写真も撮りまくりました。歩数計によると30000歩近く歩いてました。
そうそう、上高地バスターミナルに着いたら、早いうちに帰りのバスの整理券をもらっておくと良いですよ。人数に合わせて増発するので乗れない心配なほぼないですが、整理券の順に乗車できるので、待ち時間が少なくて済みます。
あまりの美しさにハイテンション気味で撮影&現像した上高地の写真は撮影心と共に現像心も燃える上高地の緑と水面
上高地にある穂高神社奥社については上高地にある穂高神社奥宮。明神池では船神事も行われるもあわせてご覧ください。
上高地を出て松本へ
実は今回の旅行のキモは「大人気観光地上高地を、いかに人が少ない時間に歩き回れるか」ということでした。そのため長野や松本で居酒屋巡りをするという我々の旅の基本方針を曲げて上高地のホテルに泊まったのがポイントです。結果からいうとこれは大成功でした。午前中の早いうちに上高地散策を満喫し、12:00発のバスで上高地を後にしました。帰路のバスで通りかかった大正池付近の遊歩道は案の定渋滞していました。
バスは13:05分に新島々に着き、そこからまたアルピコ鉄道で松本へ。松本には13:55に着きました。
ここから松本城やその周りを観光。松本城は街中にいきなりポカっとお城があり、堀に映る本丸と周りの風景が何とも優美なたたずまいでした。
観光を終え、帰りの電車(スーパーあずさ新宿行き)を待つ間、駅前の居酒屋(庄屋だったかな?)で打ち上げ。最近あまりこのようなチェーン居酒屋に行かないのですが、案内された4人掛けの半個室ボックス席には何とテレビがついていました。思いがけなく日曜夕方のお楽しみ「笑点」と視聴することができました。うれしいおまけ。
電車に乗る前にさらに酒を買い込み、一泊二日の長野の旅は無事終了!と思いきや、帰りのスーパーあずさが、途中の山梨県でシカと衝突したとかで緊急停車。停車中何気なく窓の外を見ていたら、タオルを手にしたJR職員が電車の脇を歩いていくのが見えたんですが、そのタオルの色が・・・・・
というわけで、強行日程でしたがかなり濃い内容の週末が過ごせました。我々の旅の特徴として、温泉要素とグルメ要素が全くないのは変わらずですが。。。
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