鹿だけじゃない。巨大仏像をオナカいっぱい堪能してもまだまだ見きれない奈良旅行2泊3日=二日目

旅行

二日目:とにかく飛鳥大仏を見に明日香へ、そして歩き回る



平城京跡を車窓から眺める

一日フルに使える二日目。近鉄奈良から電車で飛鳥へ向かいます。近鉄奈良線で奈良を南北に走る橿原線への乗換駅「大和西大寺駅」へ。この大和西大寺駅の手前で電車は平城京跡を突っ切ります。都の入り口である朱雀門と中心の宮殿であった第一次大極殿の間を電車は走って行きます。この光景はぶらタモリでもやっていましたね。
地下化も検討されているようですが、史跡を突っ切る車窓も貴重なものだし、地元民にはおおむね好意的に受け取られているようですし、史跡になるとめったやたら地下を掘ったりする方がイカガナモノかという説もありますし、どうなるんでしょうね?
ちなみに朱雀門の復元は1998年、第一次大極殿の復元は2010年とかなり最近です。これからどんどん整備が進められていくものと思われます。

大和西大寺で近鉄橿原線に乗り換え終点の橿原神宮まで行き、さらに近鉄吉野線に乗り換えて飛鳥駅で下車。時間が早かったせいか(8時半くらい)飛鳥駅前はしーーーーーんと静まり返っていました。奈良市街にあれだけいたYOUもここには皆無。

まずは駅からほど近い高松塚古墳及び飛鳥歴史公園に向かいます。

高松塚古墳

昭和中期生まれの私がウスボンヤリと覚えてる70年代の考古学ブームの火付け役が、この高松塚古墳で発見された極めて保存状態が良かった壁画です。確か社会の教科書の巻頭カラーページ(当時の教科書はモノクロ主体だったような)にも高松塚古墳の写真が載っていたと思います。
なので行ってみたんですが、2009年に修復をて一般公開されたという古墳は芝でキレイに覆われて、ゴルフ場か公園墓地のような風情を醸し出していました。畑の中に現れる整備された公園って感じです。

キレイに芝が植えられてゴルフ場っぽさを醸し出す墳丘

キレイに芝が植えられてゴルフ場っぽさを醸し出す墳丘

件の壁画は現在保存修理のために修理用の施設に移され10年かけて修理中だそうで、修理が完了したら元に戻されるそうです。現在は古墳に隣接した高松塚壁画館で壁画の模写を見ることができます。

周囲ものどかな田舎の畑の風景

周囲ものどかな田舎の畑の風景

高松塚古墳 高松塚古墳

ちなみに高松塚古墳の調査や修復については様々な問題があったようで、wikiにものすごく詳細に載っています。

飛鳥駅から高松塚古墳まで歴史公園のブラブラ歩きも含めて2キロ弱

仏頭山上宮皇院菩提寺(橘寺):奈良県高市郡明日香村橘532

飛鳥歴史公園の後は、石舞台古墳に向かいました。もちろん徒歩ですよ。途中、田園風景の中にいきなり「天武・持統天皇陵」を発見。まったく畑のど真ん中のちょっとした盛り上がりといった風情でした。もちろん天皇陵ですから宮内庁がガッチリ管理していて敷地の前に立って「ふむふむ」と数度うなづいて見学完了。

さらに歩いていくと川原寺跡という史跡がありました。見た所広大なクサッパラです。しかしここは天武天皇の母である斉明天皇の宮殿川原宮があったところで、川原寺は母の冥福を祈る天智天皇による創建と言われています。飛鳥の四大寺に挙げられますが、平常遷都の際、他の寺が奈良に移ったにも関わらず、川原寺だけがこの場所に残ったようです。

そして川原寺跡の道路を挟んだ向かいに小規模な棚田が広がり、その先に「いかにも」な感じのお寺を発見。ここは聖徳太子誕生の地の橘寺でした。かつては壮大な伽藍が広がっていたそうです。

詳しくは飛鳥の地ににつかわしい田園風景の中に佇む聖徳太子誕生の地、橘寺

高松塚古墳から天武・持統天皇陵を経て橘寺まで3.2キロ

石舞台古墳 :奈良県高市郡 明日香村島庄

橘寺を出て石舞台古墳へ。このあたりが飛鳥の南端になり、小高い丘の様相です。石室の中にまで入れるのはちょっとびっくり。

石室への入り口。中に入れると思わなかったので、ちょっとびっくりしました

石室への入り口。中に入れると思わなかったので、ちょっとびっくりしました

そしてここの係員さんに「次は岡寺に行くといいですよ」と勧められ、道を教わって岡寺へ向かうことにしました。しかしこの道が予想外の道で想像以上にHPを削られたのでありました。

詳しくはせっかくの石舞台古墳でもう少し個性的な写真が撮れなかったものかと反省する

橘寺から石舞台古墳まで1.5キロ

東光山真珠院龍蓋寺(岡寺):奈良県高市郡明日香村岡806

真夏の真昼間、思わぬ山越えに不本意ながらゼエゼエと息を切らせ、本日最初の巨大仏像を拝みに岡寺へ。日本最大の塑像である岡寺のご本尊如意輪観音は、これまで見たどの仏像とも違う種類の重みが感じられました。

岡寺

岡寺本堂。この中にボリュームたっぷりの巨大如意輪観音塑像が安置されています

詳しくは瞬殺でその大きさと重量感に圧倒される塑像如意輪観音を祀る岡寺

石舞台古墳から岡寺まで1キロ弱(ただし山道)

鳥形山安居院飛鳥寺:奈良県高市郡明日香村飛鳥682

山の上にある岡寺から平地へ下って、今は田んぼと化した伝承飛鳥板葺宮跡を通り過ぎて本日の一番の目的飛鳥大仏を見に飛鳥寺へ。写真撮り放題のありがたい大仏様です。

飛鳥寺

詳しくは日本最古の仏像”飛鳥大仏”が写真撮り放題の鳥形山安居院飛鳥寺

岡寺から飛鳥寺まで1.5キロ

甘樫丘展望台:奈良県高市郡明日香村大字豊浦

飛鳥寺で日本最古の大仏撮影を堪能し、飛鳥大仏のクリアファイルを記念に購入し、山門前の売店でアイスを食べて一息ついてから、ここも石舞台古墳の係員さんに勧められた、蘇我氏の邸宅があったと言われる甘樫丘に向かいました。丘だからトーゼン上り坂ね。天の香久山・耳成山・畝傍山の大和三山を一望できる展望台で写真撮影&お弁当。お弁当は飛鳥寺前の売店で買った古代米のおにぎりでした。

lightroomのパノラマ合成を使ってみました

lightroomのパノラマ合成を使ってみました

詳しくは得意の絶頂蘇我蝦夷・入鹿親子の邸宅の遺構も最近になって出土したらしい甘樫丘

飛鳥寺から甘樫丘展望台まで1.1キロ

さて、ここまで歩行距離10.3キロ。え?ハードウォーキング?あまりハードじゃないんでは・・・と思った方、安心してください。まだまだ歩きますよ。

明日香村観光マップ
http://asukadeasobo.jp/wp-content/themes/tmpl/img/upload/76d992dcff631d69631627e1692b40fb.pdf

安倍文殊院:奈良県桜井市阿部645

次に向かったのは桜井市の安倍文殊院です。渡海文殊五像が見たくて。

田畑の中を通っている広くて見晴らしの良い県道15号線をテクテク桜井市方向に向かいます。本日の最長距離です。

途中軽く一山越え~みたいなアップダウンがあり、夏の真昼間、日陰のない田畑に穿たれた道は暑いっちゃ暑いんですけど、そこは飛鳥の(桜井まで行っちゃうと飛鳥じゃないけど)の~~んびりした雰囲気が助けてくれて、思ったよりストレスはありませんでした。さすがに手持ちの水筒の水を飲み干してしまい、道端の自販機見つけた時はすがるように駆け寄って冷たいお茶を買い求めましたけどね。

安倍文殊院の近くまで来ると、フツーの田舎の街並みです。
拝観料を払って本堂に上がると、まずはとっつきのお座敷に導かれ、御抹茶と落雁がふるまわれます。お座敷だからトーゼン正座していただくんですが、ウォーキングあるあるで、長く歩いた後は正座キモチイイんですよね。歩いているとずーっと足首曲げっぱなしなので。足の甲・足首、そして脛部分のストレッチになるんですよ。

阿倍文殊院

目当ての渡海文殊は想像よりずっと大きく堂々としていて見応えありましたよ。ここは安倍晴明も輩出した安倍氏の菩提寺なので、世界最高得点をガンガン更新している2015年シーズンの羽生弓弦選手のフリープログラムのテーマ「SEIMEI」の影響で、今後参拝者が増えるかもしれませんね。弓弦羽神社みたく。

詳しくはまるでステージのような内陣に祀られる巨大だけどリアルな渡海文殊像を祀る安倍文殊院

ここから次の目的地までは電車に乗ります。近鉄大阪線に乗って長谷寺へ

甘樫丘から安倍文殊院まで5.1キロ
安倍文殊院から桜井駅まで1.3キロ

豊山長谷寺:奈良県桜井市初瀬731-1

桜井駅から近鉄大阪線に乗って長谷寺へ向かうと、一つ目の大和朝倉駅あたりから線路は川沿いのルートを取ります。この川は大和川といいますが、このあたりから上流は「初瀬川」とも呼ばれます。読み方は「はせがわ」です。長谷寺と関係ありそうですね。国道165号線、近鉄大阪線、初瀬川が山間をくっつきあうように走っていますが、長谷寺の駅は結構急な山の傾斜にかかっています。駅を降りて一旦川に向かって石段や急坂を下り、国道165線と初瀬川を渡り右に曲がって初瀬川を並行する道は、いにしえの宿場町の風情を残しています。

関東に住んでいると長谷寺といえば鎌倉の長谷寺を連想しますが、奈良のこちらの方が総本山ですからね。

山の上に立つ長谷寺は京都の清水寺のような舞台を備えた、自然の緑と造園美が調和した大伽藍です。ご本尊の長谷寺式十一面観音も見応え十分です。

長谷寺
詳しくは厳かに伸びる登廊を登り、五重塔や街並みを見渡す広い舞台を持つ長谷寺の本堂へ

さて、本日のスケジュールはこれにて終了。長谷寺駅から電車で奈良に戻ります。橿原神宮と室生寺に行けなかったのがちょっこし悔やまれます。
徒歩にこだわらなければもう少し回れたのかもしれないけれど、でも、のんびりした田園風景をたっぷり堪能できたので、まずまずOKとしましょう。次に来る楽しみを残してね。

長谷寺駅から長谷寺まで往復3キロ

というわけで、この日の走行距離は合計19.7キロでした。お疲れ様でした。

2015年奈良旅行で拝観した巨大仏像リスト(二日目)

”巨大仏像”のみ記します。ここでの”巨大”の定義は2メートル以上です
拝観場所像名高さ
岡寺本堂如意輪観音座像
(本尊)
4.85m
飛鳥寺本堂銅造釈迦如来坐像
(本尊・飛鳥大仏)
2.75m
安倍文殊院本堂騎獅文殊菩薩像
(本尊)
7m
(獅子と光背含む)
長谷寺本堂十一面観音立像(本尊)10.18m

おまけ【たまにはグルメ情報も】アットホームで飽きないメニューのお店発見

この日の夕食に入ったお店が、とても良いお店でした。
「晴朗邸 勝手口(せいろうてい かってぐち)」http://seiroutei.dip.jp/

割りばしの袋。店主ご夫妻の似顔絵入り

割りばしの袋。店主ご夫妻の似顔絵入り

近鉄奈良駅からひがしむき商店街を抜けて,もう一つ奥の「もちいどのセンター街」というアーケードの中ほどにある雑居ビルの2階という、奈良ビギナーにはわかりにくい場所で、夕食の場所を探して彷徨い歩いている時に見つけたんですが、まあよく見つけたと自分をほめてあげたいです。
ご夫婦二人でやっているお店だそうです。

旦那さんがキッチン、奥さんがフロア。旦那さんが料理にこだわっていて奥さんがフロアやっているお店は、時として旦那さんがテンパってるのか職人気質なのかわかりませんが、奥さんに対する態度がちょっとアレな場合があるのですが、こちらのお店は、お二人とも朗らかで穏やかで、料理も押しつけがましくないけれど工夫があってメニューが豊富でリーズナブル。美味しいものを楽しく食べてもらいたいという店主ご夫婦の気持ちが伝わってくるようなお店でした。

三日目へ続く

一日目のレポートはこちら

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東京在住50代、ウォーキング、御朱印集め、写真撮影と現像、70年~80年代の少女漫画(りぼん・別マ派)、中国語学習などが趣味。
遠くない将来に愛媛に移住して下宿屋と海の家を営みながら四国八十八か所巡りをしようと画策中。

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