2015年8月23日、アジア名コーニー、フィリピン名Inengと名付けられた台風15号が石垣島に接近・通過しました。
あろうことかこの日、お約束の石垣島バカンスを敢行していた我々は、石垣島における最大瞬間風速記録に遭遇することになったのでした。
一応言い訳をしておくと、結構な台風が来ることは承知の上でした。そりゃ、できることなら避けたかったですよ。なので、細かく日程を調整しましたが、来るものはしょうがない。飛行機が止まる前に石垣入りし、台風の激しい日はホテルに籠ってやりすごし、少しだけ遊んで帰りましょうと決めました。
案の定、石垣入りした翌日の8月22日、飛行機が止まりました。来られなくなっちゃった人は何とかなるとして、帰れなくなっちゃった人は大変ですね。この日は来たるべきお籠りに備えて食料品などの買い出しへ。街は強風が吹くも、外出に支障はありませんでした。
並行して仮予約を入れていたアクティビティ調整のため、いつもお世話になっているマリンサービスに連絡すると、打合せの最後に「明日は絶対に外に出ないでくださいね」とアドバイスをいただきました。御意!台風対策でお忙しい中、気を使わせちゃってすみませんでした。
買い出しを終えてホテルに戻るとエレベーターに張り紙が。曰く「レンタカーは本日中に返却なさることを強くお勧めします」
我々は元からレンタカーを借りていませんでしたが、沖縄の台風を甘く見てこのアドバイスに従わなかった場合、どのような地獄を見ることになるのか、後日この目で見ることになるとは、この時には思いもよらなかったのでありました。
部屋に戻ると、クリーニング済のはずの部屋の窓枠に丸めたバスタオルが詰め込んである。ん?と思ったら、これも台風対策の一つ。サッシといえども雨が漏れてくる可能性もあるらしく、廊下には予備の古バスタオルも用意されていました。
さて、問題の8月23日。台風はこの日の深夜から未明にかけて石垣島に最接近する予報です。
万が一の停電に備えてノートPC、スマホ、タブレット、予備バッテリーをコンセントが許す限り全て充電状態にして、部屋でダラダラ過ごします。
午後にロビーに降りてみると、ラウンジは雨戸ガッチリ閉まってましたが、ロビーにまたまた張り紙発見。
曰く、今日は外に出られないでしょうから、ホテルからの心づくしとして夕食を用意しました。そして多少のお酒も用意したのでよろしかったらどうぞ、とのこと。ありがとうございます。
よく考えたら(よく考えなくても)ホテルの人だってこんな日は家に帰りたいですよね。スミマセン。ご迷惑おかけします。
日も暮れて雨風は激しくなってきます。そしてついに停電キターーーーーー!。15年ほどの石垣島旅行歴の中で、数度の台風に遭遇しましたが、停電は初めての経験でした。バレーボールワールドカップ女子日本VSロシアなんぞを見ていたら突然電気が消えました。トーゼンエアコンもね。
覚悟していましたので、諦めて寝ることにしました。そして横になって気づくこと。建物が揺れてます。ガラス割れたらどうしよう・・・と心配しつつもいつしか眠ってしまいました。
前置き長すぎながら、翌日に見た台風の爪痕写真
翌朝、目覚めると台風のピークは過ぎたようです。カラっと台風一過とはいきませんでしたが、窓から外を見ると阿鼻叫喚の光景が!
向かいのホテルの駐車場前のフェンスがなぎ倒され、グチャグチャになった車が乗り上げている。一体全体どうゆう過程を経てフェンスと車がこんなポジションに?
さらに反対方向を見ると。。。
え!??なんか船が沈んでる。結構な豪華クルーザーなんですけど。。。
しばらくボーゼンとして眺めていたら、次から次へと車がやってきては写真を撮っては去っていく・・・。晒し者にされちゃってるんですね。嗚呼、おいたわしや・・・(と言いながら私も写真撮ってる)
そして、この沈没船の近くにある交差点に行ってみると・・・
歩行者用信号の表示の表示部分がバックリ取れちゃってます。そして、道の反対側は?というと
ボッキリ折れてる。。。
廻りに落ちている飛散物もスケールが違う
街の中心部730交差点に向かっていると
銀行です。銀行強盗と警察の銃撃戦の後みたいです。
海辺のコンドミニアムにはさらなる地獄絵図が・・・
心臓の弱い人は見ない方がいいかもです。鈍い事では定評のあるワタクシでも思わず身震いしてしまう光景でした。
レンタカー返さなかった人が落ちるコキュートス。弁償と休業補償、レッカー費用、廃車費用・・・。あなおそろし。
後日地元の人に聞いた話によると、台風のときは、車を丈夫な建物の陰に並行かつピッタリと停めるのがセオリーだそうです。ここの駐車場は、リゾートコンドミニアムの駐車場だけあって、海から遮るものの何もない場所にあるので、強風当たり放題だったのでしょう。
その他聞いた被害状況と沖縄台風あるある
- ホテル(T急INN)のエントランス自動ドアが吹き飛んでロビーが水浸しになり、営業再開は年単位の話になってしまった
- ホテル(Mヒラ)の屋内プールの屋根が吹っ飛んだ先がガスタンクの一歩手前で、もしガスタンクに直撃していたら想像もできないような悲劇が起こっていただろう
- 台風の翌日、みんなが飛来物で汚れた家の外壁とかを洗いまくって水を使いまくるので、給水処理がおっつかず断水になることは珍しくない
- 台風の進路によっては大型貨物船が来られなくなって物資の供給が途絶えるので、地元の人は天気図を見て買いだめをするか否か決定する
- 新石垣空港は全面ガラス貼りだが、あんな風通しの良い場所にガラス張りの建物建ててバカじゃやいの?と、地元民は密かに思っている。(でも今のところ台風でガラスは割れていない)
とにかく内地の台風とはスケールが違うというのは、間違いありませんね。
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