境内入口から緩やかに続く登参道「月見坂」の両側には弁慶堂、地蔵堂、薬師堂などの御堂が点在します。これらの御堂は簡素な造りで、各お堂にご朱印授与所はあるのですが、書置きの所も少なくありません。
本堂に安置されているご本尊の丈六(約5メートル弱)の釈迦如来坐像は2013年に新しくされたもので、元のご本尊である阿弥陀如来坐像は本堂より先にある讃衡蔵(さんこうぞう)に収蔵展示されています。
その讃衡蔵には上記の元のご本尊のほかにも平安期の諸仏、国宝中尊寺経、奥州藤原氏の御遺体の副葬品などが納められていります。
さらに奥に進むといよいよ有名な金色堂です。よく写真に写っている(そして私も撮った)アングルの階段越しの御堂は覆堂(ふくどう、おおいどう、さやどう)と言って、金色堂を雨風から守るためにすっぽりと覆ってしまったお堂です。初めて覆堂が作られたのは鎌倉時代だそうで、現在の覆堂は昭和30年代の金堂解体修理工事の際に作り直された鉄筋コンクリート造のものです。それまでの覆堂(旧覆堂)はその際に100メートルほど北西に移築されました(重要文化財)
その覆堂の内部に温度・湿度調整のためのガラスで仕切られた金色堂があります。阿弥陀三尊像(阿弥陀如来坐像、観音菩薩立像、勢至菩薩立像)を中心に、地蔵菩薩、天王像などの仏像群は、まだまだ金箔も残った豪華な物でした。お堂の内外も金だけでなく螺鈿や宝石など極楽浄土を再現するために様々な技巧を施されているそうです。
思っていたより小さかった(仏像は立像で大体5~60センチ)のですが、それがかえってミニチュア好きの私にとっては魅力的で、双眼鏡を持参しなかったのがホント悔やまれました。カメラの望遠レンズで見るという手も無いことは無かったけど、撮影しないとはいえカメラを構えるのは流石にはばかられて自重しました。
また、この仏像が安置されている台(須弥壇)の中には奥州藤原家2代・3代・4代の遺体が安置されているそうです。
この地域のもう一つの有名寺院毛越寺は”浄土式庭園”を頭の中に再現できるか?平泉の毛越寺をご覧ください。
中尊寺データ
- 名称 関山中尊寺
- ふりがな かんざんちゅうそんじ
- 住所 岩手県西磐井郡平泉町平泉衣関202
- 宗派 天台宗
- 本尊 釈迦如来
- 公式サイト http://www.chusonji.or.jp/index.html
- 札所 奥州三十三観音番外/四寺回廊
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