江戸っ子風に言えば「まっつぐ」な水路が続く江東区の東端、江戸川区との境にようやく出現する自然っぽいカーブと河川敷を持つのが旧中川。容易に想像できるでしょうが、人口水路が多い江東区の川と違って、旧中川は自然河川です。
その名の由来は江戸川と荒川の間にあったから。だったら「間川」とか「内川」でもいいのにね。

で、中川は現在荒川と言われている正式名称「荒川放水路」によってブチっと分断されて、盲腸のように残った下流部分が今回ご紹介する旧中川です。

荒川と隅田川にはさまれたいわゆる「江東デルタ地帯」を流れる旧中川は、元々低湿地帯だったところを江戸時代から治水工事によって耕地や住宅地に変えてきたところ。さらに近代に入って工場がガンガン地下水をくみ上げたものだから地盤沈下が急速に進み、ついには地盤より水面が高い「天井川」になってしまいました。
堤防の高さを上げることによって必死に護岸をしてきましたが、それでも台風などで水位が堤防を越えると周辺に洪水を引き起こすワケですね。
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000062759.pdf
に、昔の旧中川の写真がありますが、なんというか、川と敵対してる感があります。

そこで東京都は昭和26年から旧中川の水位を下げる方法で治水対策を行ってきました。それから40年(きみまろ風)、平成23年に整備事業はめでたく完了し、自然河川と河川敷を生かした現在の景観ができあがったという次第です。

今回は小名木川塩の道から旧中川に入って上流に進み、墨田区と江東区の境である北十軒川との分岐点までをご紹介します

左奥は旧中川と中川大橋、その向こうに都営新宿線の西大島駅がある。中川大橋の麓に川の駅があって、水陸両用バスが川へ入る場所=スプラッシュポイントがある

左奥が旧中川と中川大橋、その向こうに都営新宿線の西大島駅がある。中川大橋の麓に川の駅があって、水陸両用バスが川へ入る場所=スプラッシュポイントがある

写真左奥には「旧中川・川の駅」があります。

川の駅というのはお察しの通り「道の駅」の川版と言いたいところですが、残念ながらアサリやウナギ、アユなどの川の産直品を売っているわけではありません。

① スロープ(水陸両用バスのスロープ)
② 手漕船乗船場(和船・カヌー乗り場)
③ にぎわい施設「水彩テラス」(売店・休憩所・足湯・トイレ)
④ 川床(水際の休憩場所)

があります。水陸両用バスのスロープってのが最大の特徴に見えますが、実は「足湯」が意外さナンバーワンだったりします。温泉?いやまさか・・・

水彩テラスの前から水陸両用バスの進水ポイントを見下ろす

水彩テラスの前から水陸両用バスの進水ポイントを見下ろす

この場所にどうして「川の駅」ができたかというと、江戸時代このあたりに 中川船番所といものがあったから。船番所は重要な交通網であった小名木川を通行する船などを見張る、川の関所のようなものですね。元々はずーっと東の江戸寄り、小名木川と隅田川が合流する地点にあったのが、後に中川から小名木川が始まるこの場所に移されました。江戸の初めは市街とみなされなかった現在の江東区が江戸に仲間入りしたってことでしょうか?

旧中川・川の駅

この水彩テラスの後ろには中川船番所資料館があって、船番所の資料が展示してあるらしいです。あと篤志家による釣り具の展示も。。。

川の前から

川の前から水彩テラスと船番所資料館を見上げる

中川船番所資料館http://www.kcf.or.jp/nakagawa/index.html

看板・黒板の水彩テラス・船番所資料館

ここから上流にすぐ新大橋通りが走っています。訪れた時には工事中で橋の下をくぐれなかったので、一旦上に上がって新大橋通りを渡って上流に向かいます

都営新宿線西大島駅

新大島橋から上流に都営新宿線西大島駅があります。
この駅は珍しい駅だそうで、どう珍しいのかというとwikiによれば

「江東区と江戸川区の区境の河川橋上駅でホームに行政区分標がある全国でも珍しい駅」として、2000年に関東の駅百選へ定められている。

だそうです。

それにしても川の上に駅があるってことは、出入り口はどうなってるんだろうと調べてみたら、ホーム両端に改札及び出入り口があるそうで、西側は江東区、東側は江戸川区になっていました。

旧中川河川敷に下りて都営新宿線西大島駅を見

旧中川河川敷に下りて都営新宿線西大島駅を見る

広々とした芝生と自然のままに蛇行する川、郊外感がただよってきました。

手前から船堀橋→さくら橋→もみじ橋

手前から船堀橋→さくら橋→もみじ橋

河川敷の散歩道もくねくねと親水感を演出しています。船堀橋は京葉道路の橋。

さくら大橋→もみじ大橋。旧中川をはさんで大

さくら大橋→もみじ大橋。旧中川をはさんで大島小松川公園が広がる

さくら橋ともみじ橋は川の両岸にまたがる大島小松川公園を結ぶ人道橋(歩行者自転車専用の橋)。とはいえ東は江戸川区、西は江東区。両方の公園の管理はどうなっているんだろう?と心配してたら東京都の公園だったんですね。老婆心ながらホっとしました。

都営小松川アパートや民間の大規模マンションが並ぶ、後ろの高架は首都高7号小松川線

都営小松川アパートや民間の大規模マンションが並ぶ、後ろの高架は首都高7号小松川線

大規模集合住宅というのはどうしても郊外とかニュータウンとかの臭いが出てしまいますね。まあ郊外のニュータウンでよろしいんでしょうけど。ここに住まう方々が一挙に都心に通勤通学するんだから、そりゃ通勤通学ラッシュも置きますわな。

それにしてもこの写真、なんでこんなCGっぽくなっちゃったんだろう・・・

大規模集合住宅は江東区側にもたっぷりございます。

両岸に巨大集合住宅が立ち並ぶ。

両岸に巨大集合住宅が立ち並ぶ。

とはいえ、上流に行くにしたがって工場や倉庫ももちろんありますよ。

マンションの上に一戸建て風の家

マンションの上に一戸建て風の家

自然も豊かなようで、鳥も色々いました。

橋の下にいた鳥

橋の下にいた鳥

亀戸中央公園からふれあい橋を見る

スカイツリーも見えてきました。青く優美な姿のふれあい橋も人道橋です。

ふれあい橋

ふれあい橋

ふれあい橋の先はJR総武線の鉄橋。左は亀戸、右は平井ですね。奥に見えるのは江東新橋。この先西方向に北十間川が分岐します。

総武線橋梁

総武線橋梁

対岸には「小松川ポンプ所」という施設があり、水門らしきものがありますが、しっかり閉じられているようですね。

小松川ポンプ場

小松川ポンプ場

さて、江東新橋をくぐると西に北十間川が現れます。この川は東京スカイツリーに通じる川。「逆さスカイツリーの写真が撮れる」と話題になった川ですね。この川の北側は墨田区。なので旧中川と北十間川が交わる川のT字路は、江東区・江戸川区・墨田区の三区が接する場所ですね。

左が北十軒川、旧中川は奥に続く

左が北十軒川、旧中川は奥に続く

このまま旧中川を遡っていくのには、川の向こう側、江戸川区側にいかなければならなさそうです。

この日は川を渡らず北十間川を散策することにしました。

そこで面白いオブジェをみつけたのですが、その話は東京水路探索中にみつけた不思議なオブジェと盆栽のディスプレイで。