23区を環状に走る明治通りにはいくつもの顔がある

汐浜運河沿いに潮風の散歩道を歩き塩浜通りから明治通りに出て都営新宿線の駅を目指して歩いておりました。東西線より海側の南砂地域のは、同じ明治通りといっても原宿と渋谷を繋ぐファッショナブルなショップが並び、ビアンキのバイク(自転車とかチャリとか言っちゃダメよ)に乗った人たちがポタリングしているような風景は無く、池袋駅前の様に東京デビューの埼玉小中学生が胸をときめかせる場所でもなく、ダンプと倉庫と時々コンビニなガテンな道路であります。

新砂橋から江東区塩浜を見る、団地とJRの車庫

新砂橋から江東区塩浜を見る、団地とJRの車庫。ここから明治通りに向かいます

貴重な縦路線だけど人は運ばないの

その明治通りとほぼ平行に走る鉄道、これは総武線越中島支線という貨物専用線です。総武線本線、都営新宿線、東京メトロ東西線と、区内を走る鉄道路線はもっぱら東西方向ヨコ移動なのに対して、この線路は、昭和40代年に亀戸・南砂間の都電が廃線になった現在越中島貨物駅と亀戸を結ぶ貴重な南北縦ラインの線、なのに人は乗れません。

昭和初期に開通し小名木川の水運や、晴海や豊洲の開運と連携してたくさんの貨物を運んでいた越中島支線は、物流の担い手が移っていった結果、本来の役目を終えて今は鉄道のレール輸送にのみ使われています。その数も平日昼間の3本以下という、東京23区内の駅にあるまじきダイヤ。当然一般庶民に時刻表が配られるわけもなく、「電車に出会えたらラッキー」な線路なのです。

そんなラッキーにワタクシ出会ってしまいました。

電車じゃないよ、ディーゼルだよ

明治通りから仙台堀川公園に入り少し東側に歩くと目の前に越中島支線があります。そこから少し線路沿いに伸びているおよそ300mの遊歩道、南砂線路公園を歩いていると「ピーーー」という汽笛が耳に飛び込んできました。線路前方を見てみると亀戸方向から一台の電車が。いや電車ではなくディーゼル機関車だそうです。 DE10形だそうです。
カメラを出すヒマもなく、iphoneでの撮影です。

南砂線路公園
南砂線路公園
南砂線路公園

南砂線路公園

300mほど続いた遊歩道はそのまま舗装道路になり線路沿いに続きます。少し歩くとかつてここにあった「小名木川駅」の跡地に到着。かつては5面のコンテナホーム、6本のコンテナ荷役線、4面の有蓋車用貨物ホーム、6本の貨物荷役線があったという地は、現在区内有数の郊外型複合グランドハイパーショッピングモール「アリオ北砂」と、東京スイート・レジデンスというスイートなマンション群になっています。

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スイートなレジデンス

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貨物列車の車輪と小名木川駅の歴史の看板

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車軸のアップ

大人よりちびっこなトンネルは驚くほどの交通量だった

駅の痕跡を控えめに伝える車輪が展示されたあずまやで一息入れていたら、ちょっと気になることが。

目の前の線路のガード下がトンネルになっているのですが、そこを通る人の多いこと多いこと。
歩行者だけでなく坂の少ない江東区らしく自転車に乗った人、そしてクルマまで通っています。

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ホントにここをクルマが通るんです

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信号がない。カオス

トンネルを出てすぐに線路沿いに走る道との交差点があり、なんとそこは信号なし。さらに線路沿いの道は少し坂になっていて交差地点の見通しは結構悪そうに見えます。

ご覧のとおりトンネルの高さは1.6メートル。日本人成年男子の平均身長より低い。車だって普通の車高のセダン、コンパクトカー、軽自動車、シャコタン車くらいしか通れません。
そこを通るわ通るわ。「アヴィニヨンノ橋の上で」ならぬ「越中島支線のガード下トンネルで」なんて歌ができちゃいそうです。

何でこんなに交通量が多いのかというと、越中島支線を横切れる場所が少ないんですね。
そして東陽町方面からこのトンネルをくぐってまっすぐ行くと、下町の商店街として度々メディアにも取り上げられる砂町商店街、左に曲がると例のアリオ北砂。
ですからこのガード下の道は、ショッピングロードだったんですね。

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アリオ北砂

小名木川橋梁

鉄橋の下は小名木川

さらに巨大団地が立ち並ぶ北砂地域から、区役所やスポーツセンターがある東陽町に向かう道でもあるわけです。

新開橋

小名木川の向こうからもアリオ北砂に向かう人が続々

かくして「橋の上で踊るよ踊るよ」

なるほど、そういうことかと納得はしましたが、それにしても危ない道。その危なさはみんな承知してるんだけど、やっぱり便利さには勝てないのか、「おじいさんが通る、子供も通る、自転車も通る、車も通る」なアヴィニヨンの橋、もとい越中島支線のトンネルなのでした。