中国語の授業で出てきた短文です。内容について突っ込み所も数か所あるのですが、その中で一番インパクトがあった表現について書いてみます。
gushi2

得不偿失

老婆是个电脑盲,我是宅男,在我的影响下,老婆最近突然迷上一款电脑游戏,而且她只会玩游戏,别的电脑知识一点儿都不懂。

由于老婆天天打游戏,家务活都成我的了,我觉得这么下去不行,得想个办法治治老婆的游戏瘾。正好周末我要加班,走之前我特意把显示器的电源弄松了,这样一来显示器不工作,老婆也就不能玩游戏了,然后我便安心地去上班了。

旁晚我回到家一看,老婆居然又在打游戏,难道老婆自己把电源接上了吗?我觉得不太可能,于是我便问老婆说:”亲爱的,早上我走的时候电脑打不开,好像是坏了,为啥现在能打开了?“

老婆头也不回地答道:“确实打不开了,找维修人员来看,人家说是显示器坏了,没法用了,我只好花了一千块钱换了个新的!” 我顿时哭笑不得。

インパクトが強かったのは書き出しの「电脑盲」です。いきなり引っかかってしましました。いや、意味は分かりますよ。ただ結構ゴーカイな表現だと思ったのであります。
今の日本の風潮では絶対に出てこない新語だなぁ、と。なんてったって日本のマスコミは”文盲→非識字・色盲→色覚障害”って言い換えるくらいですからね。座頭市なんか。。。
ネットでこの「电脑盲」を検索すると、香港のテレビ局フェニックステレビ(鳳凰衛視)のサイトの経済ニュース「凤凰财经讯」のページにたどり着きました。ここではアリババグループ(阿里巴巴集团)の創業者马云について書いたブルームバーグの記事を転載していますが、その中に

马云从不夸耀自己的科技水平,相反,他称自己是电脑盲。
http://finance.ifeng.com/a/20141112/13267765_0.shtml

の一文があります。マスコミのサイトに載っていることから、中国語では特に「ピー」な表現ではないようですね。
ためしに私のメイン辞書アプリ(講談社PAX中日日中辞典)で「盲」の後方一致をひいてみると、以下の言葉が出てきました。(それにしても辞書も色々表現に気を使っているんですね)

半文盲大人で字が少ししか読めない人
法盲法律の知識のない者
科盲科学知識に疎い人、科学オンチ←(辞書表記ママ。)
扫盲文盲を一掃する
色盲色盲
脱盲文盲状態から脱出する
问道于盲盲人に道を問う、何も知らない人にものを尋ねるたとえ
文盲読み書きできない大人、文盲
雪盲雪盲(せつもう)、雪目
夜盲鳥目、夜盲症、地方によっては雀盲眼ともいう

扫盲は、中華人民共和国建国後の政策の一つ「扫盲运动」、のことです。直訳すると「文盲一掃運動」、21世紀風に表現すると「識字率向上運動」、「国民総識字キャンペーン」ですかね。
色盲、雪盲、夜盲は医学用語(?)で、雪目は紫外線の影響で起こる症状、夜盲は暗いところで極端に視力が落ちる症状です。

こうやって見ると「电脑盲」は法盲、科盲の流れをくむ語意ですね。

さて、この「电脑盲」はどう訳しましょう? google翻訳だと「コンピュータ文盲」と出ました。自然な日本語だと「パソコン音痴」ですか?いやいや、「痴」の字も現在の日本だとビミョーだから「パソコンが苦手」あるいは「パソコンが使えない」という感じでしょうか?ちょっと前に「情弱」などという言葉がありましたが、これだと少し意味が違うような、、、(余談ですがこの”情弱”って、ことあるごとに○○弱者とか言って人をカテゴライズする風潮を皮肉った感じで面白い)
まあ、いずれにせよピタっと該当する名詞が見つかりませんでした。

音痴のところでも触れましたが、日本ではこういった字面にとても神経質です。またそれに対して言葉狩りであるとの反論もあります。中国はどうなんでしょうか?“老弱病残孕专座”は将来大陸でも言い方が変わるのでしょうか?

词汇解释

得不偿失損得が引き合わない
瘾yin3中毒、悪癖、病みつき、くせ
宅男zhai2nan2おタク(の男)
显示器モニタ、ディスプレイ
头也不回振り返りもせず、顔も上げず
哭笑不得泣くに泣けず、笑うに笑えず、泣いていいのか笑っていいのかわからない